入社から2年が過ぎた製造課の社員が、事務所でファックスを待っている。
事情を聴くと、修理方法を記した図面が機械メーカーから送られてくる、とのことだった。
今回壊れた個所は、旋盤で最も大事な構造の一つ、『ボールねじ』が強い衝撃により直接痛まないように、その手前にいわばバンパーの役割をした部品がある。それが壊れて、アラームがついていた。
最近では、ほとんどが電気制御で動く時代。
でもこの部分は、旋盤、つまり機械として重要な部分のため、今でもシッカリ、機械=ハードで構成されている。
図面を見ながら、機械の奥に手を突っ込んで、修理し、アラームを解除し、再稼働させる、という作業は、なかなか技術も満足度も高い仕事だ。
この程度のことがサックリできて、ある意味本格的に一人前になった、と考えてもいいレベルと思っている。
まだまだ新人だと思っていた、ファックスを待つ20代の社員。
でも、もうそんなことをやるレベルまで来てるのかぁ。
時間の経過を感じました。
先日は、高知県で41度を記録したとか。
こちらも日中は35度を超える猛暑が続いています。
しかし、朝夕の空気は完全に秋の気配を運んでいる。
自宅の窓から外を見ると、なんと見事な満月が、スカイツリーの左下から顔を出していました。
その月が、第一展望台の左下をえぐるように、スカイツリーに突き刺さった。
その後、月はスカイツリーに完全に隠れ、後光を放つ状態に。
そして、すぐ右に顔を出したと思うと、まるでスカイツリーのバットに打たれたように、月はどんどんと右上へ離れていく。
ほんの10分の間に、月とスカイツリーのスペクタクルショーを見させていただいた。
秋の空気の中、巨大人工物と宇宙の調和に、感動しています。
朝、工場を一回りした時、1台の機械からモクモクと煙が上がっていた。
火事ではない。
元気に加工が行われている証だ。
切削熱と冷却水が戦っている。
ステンレスは熱伝導率が低いため、熱をためやすい。
そこで切削液が活躍する。
彼らは自己犠牲の精神で、己の姿を『煙』に変えることで、安定した切削活動を支えている。
切削時間が長ければ長いほど、その戦いの中で切削液は、煙の量を増やしていく。
つまり、『煙モクモク』は『元気モリモリ切削中』の証拠なのだ。
更に「ステンレスの切削は相対的に時間が長い」と言うことで、木山製作所の特徴も表している。
工場内あちこちでモクモクしているのは、労働環境としては問題はあるものの、私はその光景に正直嬉しくなる。
追伸
全面禁煙となった社内。
工場の外に、喫煙者組が屋根を作り、喫煙所を作っている。
『モクモク=モリモリ』は、社内の話である。
喫煙所には適応しないぞ!
環境問題は深刻だ。
しかし、その進み方は現代社会の発展スピードに比べれば、大きくゆっくり進行している。
そのため、なかなか実感することができない。
従って、その問題のほとんどは、実際はメディアから仕入れることが多い。
いわば情報の産物であり、それが『他人事』感を演出している。
しかし、これだけは急激な変化として、だれもが肌で感じていると思う。
それは『ゲリラ豪雨』だ。
もちろんこれまでも『夕立』と呼ばれる現象はあった。
しかし、数年前からはっきり感じるそれは、極小域に集中し、想定外の影響を与えている。
先日も『機械が壊れたか』と思うような雑音が聞こえてきたと思ったら、実は視界が狭まるほどの大雨が工場の屋根をたたく音だった。
そのタイミングで運悪く外出の用事となったので、雨の中車で出た。
しかし10分も走ると、濡れていない道路となる。
私の前後を走る車は、窓ガラスにワイパーの跡がまだ残っているくらいなのに、対向車はうっすらほこりをかぶっている。
さらに10分、東京に入ると、ワイパーが間に合わず減速するくらいの土砂降りが一気に始まった。
メディアやネットより、車をたたく雨の音が、私の環境意識を高める。
家の前で、ラジオ体操が始まった。
運動不足の中年に、この場を回避するという選択肢はない。
だったらこの貴重な10分をしっかり使ってやろう、と言うことで、松岡修三にも劣らぬ勢いの『本気』で臨んだ。
キチンと腕を伸ばす。肩の真上、真横。
意識して筋を伸ばす。太もも、腹筋。
しっかりと腰を回す。脇腹、腰回り。
高く飛ぶ。つま先かかと、リズムを意識。
はぁ…。
ラジオ体操第二の最後、
『腕を前から横に、ひざを曲げ』のところで、
『弾んだ呼吸を整えながら…』と、アナウンサー。
子供のころ、ラジオ体操ごときに、なぜ深呼吸の型がいるのか、理解できなかった。
しかし中年の私には、ひしひし感じる。呼吸が弾んでいることを…。
『10分』を『本気』で臨めば、いろいろ見えてくる。
人生は深い。
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