木山製作所のスタッフブログです
モノ作り集団「K製作所」の活動も随時更新中!
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2022年の釣納めで千葉港へ。
富士山を望む東京湾の夕焼け。美しいです。
スタッフKATOです。
こんにちは!
全6回に分けて紹介した「トルメキア軍戦列艦を作る」もいよいよ最終回。
完成した戦列艦をご覧ください。
全景。
今回の見どころ、可動式のドアと貨物室。
突撃砲とともに。
2輌の突撃砲を格納できます。
大きさの比較のため手元にあった1/144スケールのB-24爆撃機と撮影。
戦列艦はずんぐりむっくりした胴体と長大な主翼により、全翼機のような外観が特徴。
よって全長はそれほど変わらないものの、胴体は太くボリューム感が全く違います。
そして全幅は2倍ほどの大きさ。
屋外で空撮もしてみました。
やはり空の青が似合いますね!
今回は3Dプリンターを使用し「風の谷のナウシカ」に登場するバカガラスこと戦列艦を作成しました。
戦列艦の模型は一般には販売されておらず、それを立体物として再現するのは私の子供の頃からの夢でした。
技術の進歩により大人になって子供の頃の夢を実現できました。
自分の作りたい物をカタチにすることができる3Dプリンターに感謝です。
2022年もお付き合いいただきありがとうございました。
2023年も変わらず面白いモノづくりを発信していけるよう精進いたします。
モノづくり部も本格的に始動します。こちらもご期待ください!
それでは、皆様良いお年を!
晴海に行ってきました。
やっぱり都内は夜景がきれいですね。
スタッフKATOです。
こんにちは!
「トルメキア軍戦列艦を作る」も基本塗装を終えいよいよ大詰め。
今回は仕上げのウェザリングを施していきます。
ウェザリングとは模型製作における塗装技法のひとつで、風雨にさらされた実物の外観を模した表現を塗装で行う技法。
基本塗装のままだと綺麗すぎるため、ウェザリングを施すことで模型にリアリティを与えるのです。
ウェザリングは「その物がどのような環境で使用されたか」を考えて行います。
戦列艦は実在しない機体ですが、映画劇中におけるトルメキア軍による戦列艦の運用方法から想像します。
トルメキア軍が戦列艦の艦隊で風の谷に侵攻したシーン。戦列艦で草原のような場所に強行着陸しています。
結構ハードに使われているのでキズなども多そうなイメージ。
さらにこれらの艦はペジテ侵攻後に移動してきたもの。
ペジテは砂漠の中にある国家なので、きっとそこに侵攻した機体は砂汚れが付いていると考えました。
そこで戦列艦は形状的には航空機ですが、エアモデルというよりも戦車模型的な表現でウェザリングする事にしました。
パネルラインを中心にキツめに汚していきます。
サビの表現も加えました。
機内は汚れた突撃砲を格納するので床は乾いた土汚れがついているイメージで。
スモールパーツもちまちまウェザリング。
全てのパーツのウェザリングが完了。
後は組み付けるだけ。
次回はいよいよ完成編です。
それでは!
12月に入ったとたん急に冷え込むようになり、季節は完全に冬になりましたね。
寒いのは好きではありませんが、冬の空は好きです。
スタッフKATOです。
こんにちは!
今回はステンレス削り出しMEMORIAL TABLETを作成したので紹介します。
MEMORIAL TABLETは位牌のこと。
星になった猫ちゃんの位牌を作って欲しいとの依頼に応え、業務の合間に製作いたしました。
製作はいつもの通り旋盤とマシニングセンタで加工。
文字を入れる面は磨いてなるべく鏡面に近づけました。
最後にレーザーで猫ちゃんの生前の写真と戒名を刻印し完成としました。
本業が忙しく、依頼から約1か月ほどお時間をいただきましたが、何とか納品できました。
お待たせいたしました。
木山製作所ものづくり部ではこうした依頼にもお応えしています。
個人ユーザー様など、会社に直接お問い合わせし難い依頼はものづくり部のメールアドレスや、インスタのDMで気軽にご相談ください!
過去に紹介した製品等についてのお問い合わせも下記のメールアドレスにどうぞ。
木山製作所ものづくり部
メールアドレス:kousaku.club2671@gmail.com
インスタグラム:instagram.com/kousaku_club/
スタッフKATOでした。
それでは!
すっかり冬らしくなった寒さの中、1本出てくれました。
ありがとう!
スタッフKATOです。
こんにちは!
「トルメキア軍戦列艦を作る」第5回。
前回は戦列艦の組み立て・表面処理・下地作りまでを紹介しました。
今回は塗装作業に入っていきます。
風の谷のナウシカに出てくる戦列艦ことバカガラスですが、画面上では結構汚れた感じで描かれています。
そこで「黒立ち上げ」という塗装技法を使い、船体各部に大げさなグラデーションを付けてみる事にしました。
「黒立ち上げ」は下地をブラックで作り、その上に塗りたい色を少しずつ重ね塗りしていく技法です。
下地の黒をうっすらと残すように面にグラデーションを付け、汚れや退色を表現できます。
塗装に使った塗料です。
クレオスのラッカー塗料をメインに使用しました。
黒立ち上げのベースはMr.フィニッシングサーフェイサー1500。
機体色はMr.カラーのジャーマングレー513番と514番。
まずはパネルラインを残すように513番をエアブラシで吹きました。
さらに514番を面の中心に塗り重ねてグラデーションを作りました。
劇中の戦列艦のイメージから、グラデーションは割と強調した感じで。
主翼端は黄色。
Mr.カラー113番RLM04イエローをベースにホワイトを混ぜて退色した感じを表現。
機内色はMr.カラー22番ダークアース。
コックピット内もダークアースとしました。
機体の塗装を乾燥させている間にタイヤなどの小物も塗っていきます。
こちらは筆塗り中心。
キャノピーの枠もチマチマと筆塗り。
こうして基本塗装が完了。
この後は楽しいウェザリング(汚し塗装)に入っていきます。
その模様は次回!
それでは!
日本国際工作機械見本市JIMTOF2022に行ってきました。
スタッフKATOです。
こんにちは!
2年ごとに開催されるJIMTOFですが、2020年はコロナウイルスの影響でオンライン開催だったので4年ぶり。
コロナ以降大規模な展示会等への参加を控えてきたスタッフKATO。
こうした展示会に来るのはいつぶりでしょうか?
会場には想像以上に多くの来場者がいて以前の活気を取り戻したように見えました。
工作機械、工具、CAD/CAM、研磨・バリ取りなどとても1日では回り切れない規模。
東京ビッグサイトの東館・西館・南館と端から端まで歩き回りました。
そして見たかった展示の一つ。
特別展の「ネ20」
1945年旧海軍航空技術廠と石川島重工業、官民一体となって開発した日本初の実用ジェットエンジン。
特殊攻撃機橘花に搭載されました。
ネ20は世界で3基しか現存していません。そのうち一つ。
現在まで続く日本の航空機用ジェットエンジン技術の礎となった貴重なエンジン。
技術は1日にしてならず。
研究開発・生産を継続していかなければ技術は停滞し失われてしまいます。
昨日、半導体新会社設立のニュースが流れました。
完全に世界から後れを取った日本の半導体事業。
遅きに失した感はありますが、今こそネ20を開発した時のように国と民間企業が一体となって取り組まなければ、日本は先進国から後進国へと転落してしまうでしょう。
今後に期待するしかありません。
そんなことを考えながら会場を回っていると気づけば閉館時間。
日も暮れ夜景がきれいな時間になっていました。
この豊かな日本がいつまでも続くことを願わずにはいられません。
昨日11月8日は皆既月食でしたね。
冬らしく澄んだ空で、見事な皆既月食が観察できました。
そんな素晴らしい天体ショーを見せてくれた月が沈んでいきます。
スタッフKATOです。
こんにちは!
「トルメキア軍戦列艦を作る」第4回。
前回は戦列艦1隻分のパーツを3Dプリンターで印刷したところまで紹介しました。
今回はいよいよ船体を組み立てていきます。
組み立て自体はパーツ数がそれほど多くないないので簡単にカタチになります。
ただし、組み合わせる面の擦り合わせはキッチリやります。
特にサポート面だったところは完全な平面ではないので、ヤスリを使い平滑な面を作りました。
そして3Dプリントモデルを製作するうえで1番のポイントとなるのが積層痕の除去です。
3Dプリンターでは薄い層を何層も重ねて立体を印刷しています。
そのため印刷したモデルには積層痕が生じます。
印刷時の工夫で積層痕が目立たないようにすることはできますが、完全に無くすことはできません。
3Dプリントモデルを綺麗に完成させるには可能な限り積層痕を処理する必要があります。
今回のモデルでは船体全体をペーパー掛けして積層痕を全て削り取りました。
まずは船体全体にオキサイドレッドのサーフェーサーを吹きました。
サーフェーサーを吹くことで目立たなかった積層痕もはっきり見えるようになります。
#400のペーパーで積層痕を消していきます。
全体に吹いたサーフェーサーを全て削り取るような感じです。
ペーパー掛けすると積層痕の凹部にサーフェーサーが残るので削り残しが無いよう丁寧に消していきます。
全体を表面処理しました。
このあともう一度薄くサーフェーサーを吹きました。
その後、表面処理の甘かった部分を中心に#600のペーパーで全体を磨きました。
ここまでで表面処理は完了とし、塗装の下地としてブラックのサーフェーサーを全体に吹きました。
これで塗装前の表面処理と下地作りは全て完了。
いよいよ塗装に入っていきます!
という事で今回はここまで。
それでは!
※製作中の画像ではテストショットの1番艦とモデル改良型の2番艦の画像が混在しています
10月も下旬になり、朝晩は大分冷え込むようになりました。
秋が深まっているのを感じます。
スタッフKATOです。
こんにちは!
「トルメキア軍戦列艦を作る」の第3回。
使用するレジンを変えることで、サポート面の荒れを抑え、高精細にプリントできるようになったところまで前回紹介しました。
今回はバカガラス1隻分のパーツをプリントしたので紹介します。
まずは胴体。
細かいディテールの再現度は3Dプリンターの真骨頂。
素晴らしいの一言!
切削でここまでディテールを出すのは至難の業でしょう。
※上記画像は最初のモデルに改修を施した2番艦の画像になります
あのヨレヨレだった機内のディテールもカッチリプリントできています!
船体の上下パーツを組み合わせるダボも精度よく出力され、気持ちよく組み合います。
自分のイメージした通り印刷できるようになったので、印刷の特性に合わせてパーツ分割を考えたり、組み立てやすさを考慮して造形したりする余裕も出てきました。
以前製作したトルメキア軍突撃砲と並べて。
サイズ感はこんな感じ。
風の谷に侵攻したあのシーンが再現できますね!
こうして戦列艦1隻分のパーツが全て揃いました。
これからこれらのパーツを組み立てていきます。
それでは!
釣りの合間に食べるおやつ。
外で食べるといつも以上に美味しく感じますよね。
スタッフKATOです。
こんにちは!
「トルメキア軍戦列艦を作る」第2回は3Dプリンターでのプリント編その1。
この企画の目玉ですね!
第1回で作成した3Dデータを使い実際にプリントします。
以前プリントしたブラックバスフィギュアと較べサイズも段違いに大きく、さらにパーツを複数に分割して組み合わせる構造。
上手くプリントされるのか全く分かりません。
全てが未知数。
しかし百聞は一見に如かず。とにかくやってみます。
使用する3Dプリンターはelegoo社製mars 2 pro
レジンは同じelegooのStandard Photopolymer Resinのグレー
印刷設定はメーカー推奨条件としました。
そして見事に失敗しました!
プリント自体はちゃんと完了し、一見するとよさげに見えたのですが…
モデルの歪みがひどく組み合わせる事ができません。
細部のディテールもヨレヨレ。
このままではとても使えたものではありません。
原因は何なのでしょう?
印刷条件?サポートの付け方?
プリントした物体を観察していると、歪みの多くはサポートが付いていたサポート面に集中していることに気付きました。
早速Googleで検索して調べてみるとビンゴ!
光造形の3Dプリンターにおいてサポート面が荒れるのは良く起こる現象とのこと。
これを回避するには印刷条件の微調整や、サポートを付ける場所を工夫するなどの対策が必要なようです。
そしてもう一つ。
レジンそのものの性能。
現在一般販売されている3Dプリンター用のレジンには高価な物から安価なものまでたくさんあります。
私は最初「まだ初心者だし高価なレジンはちょっと…」という思いから、安価なレジンを使用していました。
しかし良く調べてみると、高価なレジンには様々な特性が付加されており、高いなりの価値がありそう。
特にサポート面の荒れが少なく高精細に仕上がるとされるレジンに興味が湧きました。
早速自腹購入。
それがこちら。
resioneさんのM58というレジンです。
youtube等でレビューを見たのですが、かなり高性能なようです。
倍近い値段のレジンにドキドキしながら、メーカー推奨条件で印刷開始。
すると…
いい!
以前の物とは比較にならないほどシャープに造形できています。
問題のサポート面もかなり綺麗、この程度ならすり合わせすればカッチリ組めそうです。
手ごたえを感じられたところで、今回はここまで。
次回は全パーツをプリントしていきます!
それでは!
木山製作所内にクラブが出来ました。
その名も…
「ものづくり部(仮)」
まだ正式な名前が決まっていないので(仮)。
立ち上げメンバーは5名の従業員。
男性4人・女性1人、ベテランから新人まで、ものづくりが好きで新しい事にチャレンジしたいメンバーが集まっています。
通常業務とは違い「自分たちのつくりたいものを作る」それが最大の活動目的です。
この業界で仕事をするようになってから、今までたくさんの同業者様を見学する機会がありました。
そのたびに感じたのは「この会社はものづくり楽しんでるなぁ」という事。
子供が遊びに夢中になる様に、大人が夢中になって取り組む夢がそこにはありました。
興味のない人からすれば馬鹿馬鹿しいと思うようなことに真剣に取り組む。
本当に素晴らしい事です。
そんな同業者様を見ていつも羨ましく思ったものです。
それと同時に自分たちがどんどん置いて行かれてしまうような危機感も。
しかしただ羨んでいても何も始まらない。
無いなら作るしかない!
木山製作所にも「大人が夢中になれる場所」を作ろう。
そんな思いを抱いたメンバーが集まりクラブというカタチでスタートする事にしました。
今後の活動予定ですが、至ってシンプル。
まずは自分たちのつくりたいものを作り、Instagram、Twitter、ブログ当で発信していきます。
そしてゆくゆくはオリジナル商品ならデザインフェスタ、版権物ならワンダーフェスティバルのような、イベントにも参加していきたいと考えています。
生暖かく見守っていただけたら幸いです。
インスタのリンクはこちら
10月になりました。
木山製作所松戸工場では道路に面した植え込みに金木犀が植えられています。
今まさにオレンジ色の小さな花をたくさんつけています。
秋ですね。
スタッフKATOです。
こんにちは!
前回のブログで宣言した3Dプリンターによるトルメキア軍戦列艦建造計画。
今回から「トルメキア軍戦列艦を作る」というタイトルで紹介していきます。
第1回はモデリング編です。
前回少し言及しましたが、使用する3Dモデルは以前切削で作ることを想定していたCADデータを活用します。
データの保存の日付を見ると2019年となっていました。
ついにこのデータが活かされる日が来ました!
モデリングはGibbs CAMのCAD機能を使って行いました。
Gibbs CAMは部品加工用のCAD/CAMで、今回のような3Dモデルを本格的にモデリングする用途には向いていません。
しかしもともとが金属の切削加工で作ることを想定していた為、このソフトを使ったわけです。
モデリングはGibbs CAMの基本機能であるソリッドモデルの延長、ロフト、加算、減算といった機能を使います。
三面図があるわけではないので、映画本編の映像や設定資料から形状を想像して描いていきます。
減算機能でハッチや貨物室部分を作ります。
別のソリッドモデルでランディングギアが収納されている部分を造形。
主翼はロフト機能を主に使い再現。
作成した各パーツを合わせます。
基本形状が出来たら、各部に細かなディテールを追加していきます。
このくらいまではもともと作り込んでいたものです。
今回は3Dプリンターによる印刷という事で、切削では再現しにくいため省略していた部分を追加でモデリング。
まずは貨物室内のディテール。
さらにプリント用にパーツを分割し、接続用の穴やダボを追加。
こうして完成した戦列艦の3Dモデル。
この戦列艦ですが実際の正確な大きさが良く解りません。
そこで以前製作した1/144スケールのトルメキア軍自走砲を基準に考察することにしました。
劇中、風の谷に侵攻し戦列艦から自走砲が出てくるシーンがあり、その画の両者のサイズ感を参考に。
さらに貨物室を自走砲が2両格納できるサイズとし、全体の大きさを割り出しました。
こうして全長約130mm、全幅約500mmのモデルが出来上がりました。
デザイン的に胴体は寸詰まりで丸っこい機体なので全長は結構短め。
その代わりに主翼は長大です。
この3Dモデルを使い実際に戦列艦を建造していきますよ!
実はさらにこのモデルをベースに、気になる箇所に修正を加えたVer.2もモデリング。
変更箇所はキャノピー形状及び操縦室内レイアウトの変更、主翼延長、対空兵装強化、組み立てやすさを考慮したパーツ分割など。
こちらのVer.2も2番艦という事で同時に建造中。
次回はいよいよ3Dプリンターにより建造開始です。
それでは!
戦列艦の大きさを割り出す際の基準にした1/144トルメキア軍自走砲の記事です。
よろしければこちらもどうぞ。
木山製作所のスタッフブログです
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