工場内の機械レイアウトが終盤を迎えている。
機械の据付場所が最終的に決定し、今は電気をつないだり、作業台を置きなおしたり、油を入れたり、復旧に向けて、走っているところだ。
今回のような大掛かりな設備のレイアウト変更は、確か4度目になる。
初めて行ったのは3年前だっただろうか。
生産ラインを足掛け1週間に渡って止めること、更に移動に直接かかる費用は100万円の単位になるので、両方を合わせた出費は、ラインを止めることによってお客様に対してご迷惑をおかけしてしまった分も合わせて、零細企業にとって莫大な出費となる。
しかし、それを行うだけの価値があるからやるのだ。
明らかに生産性が上がるところもある。
だが、生産性が落ちてしまう部分もある。
ただし落ちたとしても、「何が悪かったのか」原因を探ることで、更に進化できる。
こんな、進化していく過程を、みんなで共有できることが、仕事として楽しいところだ。
特に今回において、今までと違うのは、レイアウト変更中に、責任者クラスの人たちが、作戦会議を開く時間を増やせたことだ。
しかもその会議は、ネガティブに発生した問題への対策ではなく、より効率よく作業を進めるための「攻めの打ち合わせ」の印象がある。
それだけ責任者クラスが各担当者に出す指示のレベルや精度が、上がったからだと思う。
こうやって苦労を重ね、挑戦し続けることが、すぐに売上や利益につながらないが、目に見えない財産=「ノウハウ」として着実に各人に蓄積され、その人たちを成長させるのだと思う。
だから仕事って面白いのだと思う。
このたびの工場内レイアウト変更で、2台のNC旋盤を廃棄することにした。
2スピンドル+2ターレットのミヤノ製LD-41。
思い起こせば10年前、中古だったこの機械を、5台まとめて購入した。
売り先になる、とある切削工場では、当時1億近い設備投資を顧客から迫られるほど、構造転換を求められていて、大変厳しい状況だった。
とにかく一刻でも現金を早く振り込んでほしい、と依頼があったことを覚えている。
そしてその工場から機械が来ると、まず始めなければならなかったのは、切削油タンクの掃除。
「何年掃除していないんだ?」と言うくらい、ヘドロ状のものがタンクにこびりついていた。
掃除する時間も取れないくらい、稼動に追われていたことがうかがえた。
それを落とすのに、二人掛かりでも1日1台しか掃除できず、結局5日間機械の中にもぐっていた記憶がある。
10年たってもそういうことは忘れられるものではない。
そんな機械とサヨナラするのは悲しいものだ。
どうもありがとう。
お疲れ様でした。
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