ブログネタを探していた。
昼食を取っていると、突然ある社員が「そう言えば、ブログネタありますよ」と話しかけてきた。
パート社員のOさん。
年齢は60歳を過ぎている。
前の会社を定年で辞めた後、この会社に来た。
まったくの未経験だったが、機械の操作は勿論、ドリルの研ぎ方まで覚え、最近では機械トラブルがない限り、工程間での品質や納期打合せも出来るほど任されている。
朝礼での出来事。
Oさんが発言した。
「昭和63年に発行されて50円玉を探しています。1枚=7千円で買い取ります。」
とのこと・・・。
彼はコインコレクターらしい。
朝礼で発言する内容かどうか、疑問に思うが、趣味を持たれて、充実した60代を過ごされていることが垣間見れて、嬉しい気持ちもあります。
と言うわけで、どなたかお持ちの方いらしたら、連絡ください。
現場の技術主任と私の会話。
主任
「最近さ、良くないことがある。」
私
「どうしたの?」
主任
「現場でケガ多いんだよね。」
私
「え!そうだっけ?」
主任
「だって、○○件でしょ。それからあいつが手を怪我したでしょ。あいつも週末に手を怪我したんだ。どれもオオゴトではなかったから良かったけど。」
私
「そうか、続いてるな。こういう時は、気をつけないとな。」
主任
「なんかそういうのに、法則があったよね。大事故につながる前兆みたいな・・・なんだっけ?」
私
「ああ、氷山の一角みたいな、でしょ。」
主任
「そうそう、ああなんだっけ・・・あ、ハインリッヒの法則・・・だっけ…。」
私
「はぁ? ハインリッヒ? ドイツ人の名前付ければ、なんか安全そうだな。でも違うと思うよ。」
二人
「・・・なんだっけ?」
私
「もしかして、【ヒヤリ-ハット】の事?」
主任
「ああ、そうそう、それそれ」
答えまでの距離をずいぶん遠回りした、無知同士の会話ですが、こうやって何気ない会話から、「事故の芽」は摘み取られていくのです。
安全第一!
そしてまずは会話から。
寸法が出ない!
「何で言う事聴いてくれないんですか。」
嘆きたくなるような場面と、いつも現場は格闘しております。
先日悩んだのは、ただのリング。
95φ×85φ×10L
もちろんステンレス製。
内径外径を切削し、切落すだけの、まさに初心者向けのシロモノ。
土曜日と言う事で、休暇を取った担当者に代わって、手が空いていた10年選手と6年選手の二人の主任が代打で段取。
彼らにとっては、朝飯前的段取のはずなのに、寸法が出ない。
突っ切る瞬間に、歪んでしまうようだ。
加工では問題ないのに、切り離す時に相当な衝撃がかかるのだろう。
たかがリング、されどリング。
奥が深いね。
穏やかな土曜の午後。
主任二人が穏やかな会話を交わした瞬間だった。
「モノづくり」は自分を表現する事に近いと思う。
どこにこだわるか。人それぞれあるわけです。
数字を管理する経営の立場と、お客さんの要望を直接知る営業の立場、両方からから正直言わせていただくと「もう良いんじゃないの、それくらいで。それならお客さん、文句言わないよ」と打算的に感じてしまう事は、良くある。
しかしここは職人集団の方が、メジャリティー。
「まぁ納得するまでやれよ」と言う空気もなくはない。
そういった、なんと言うか、数字に直接結びつかない空気感が、なんとも零細企業らしくて、大事にしたい部分だとも思っている。
そんなある日、休憩室の壁際に目が止まった。
ここは喫煙者の聖地。
タバコを吸わない私は、普段近づく事はないが、久しぶりに掲示物の管理に足を運んだら、こんなものが並べられている。
正直ちょっと考えた。
「一応ここ会社だしなぁ。更衣室とか食堂なら全然問題はないが、お客さんの目にも触れるし。」
しかし、ここまで整然と並べられると、なんでもキチッと完結させたがる、職人的「こだわり」が見え隠れする。
そしてこの「遊び心」も、いつしか芸術作品に見えてくる。
まぁ良いか。
納得するまでやれよ。
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