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「KATOの世界」の記事一覧

MON 08 July 2024

CADによるモデリング

7月に入り暑い日が続きますね。

梅雨空はどこへ行ってしまったのでしょうか?

スタッフKATOです。

こんにちは!

 

3回に分けてトルメキア軍コルベットの製作風景について紹介してきました。

今回はそのベースとなるCADモデルについて少し触れたいと思います。

このコルベットはGibbs CAMという部品加工用CAMのCAD機能を使用しモデリングしています。

Gibbs CAMは部品加工用のCAMとして、値段と性能のバランスの取れた使いやすいCAMです。

本機のメインはあくまでも加工用パスを作成するCAM機能。

そのためCAD機能はCAMのための必要な能力しか備えておらず、本格的な3Dモデリングには向きません。

しかしながら使える機能をフルで使えばこの程度のモデリングはできてしまいます。

部品加工用のCAMで3Dモデリングする利点は、はじめからソリッドモデルで作ることができるところかと思います。

機械加工のための加工パスを作るには、ソリッドモデルが有効です。

こうして3Dモデルさえできてしまえば思い通りに加工用パス出力し、機械加工することができるわけです。

今回作成したコルベットのCADモデルです。

機械加工を意識したパーツ分割になっています。

はめ合わせる部分のクリアランスは塗装仕上げも想定し0.1としています。

3Dプリンターで作成するインテリアなどの小パーツも同時にモデリング。

3Dプリンター用のデータはおよそ切削では無理な形状も一体でモデリング。

また収縮を考慮し大きさを調整、切削で作ったボディにしっくり嵌るようにしています。

こちらのモデルはSTLでエクスポートし、3Dプリンター用スライサーに取り込んでプリントデータを作成しています。

 

一番時間がかかったのがこのモデリング作業です。

何度も何度も形状を修正してデータを作りました。

でもやはりものづくりは楽しい。

それでは!

MON 01 July 2024

削り出しトルメキア軍コルベット製作風景3

昭和レトロ。

久しぶりに外食する機会があり、クリームメロンソーダを飲みました。

物価高で家計が大変な中での小さな贅沢。

少し元気が出たスタッフKATOです。

こんにちは!

 

削り出しコルベットの製作風景も三回目。

削り出しトルメキア軍コルベット製作風景1

削り出しトルメキア軍コルベット製作風景2

 

第3回は小物類の製作風景です。

削り出しで作る小物は以下の3種類。

①主翼下の推進器(エンジン?)

②後部主翼下の小翼

③ランディングギア(ホイール)

 

推進器

こちらも今まで同様の方法で削り出し。

マシニング加工はクランプ方法を他のパーツと同じにしているので、

原点とプログラムの変更だけで加工に入ることできます。

左右及び、前後部で形状が違うので4種製作。

 

小翼

こちらはプラモデルのようにランナーについた状態で削り出し、あとで切り出します。

 

ホイール

こちらはただの円筒状パーツなので全てNC旋盤で切削。

タイヤはOリングをはめて再現。

1隻につき4つ必要です。

 

こうしてすべてのパーツがそろいました。

キャノピーのガラス部はバキュームフォームで、

機内インテリアは3Dプリンターで別途製作しています。

あとは細部を塗装し組み立てれば完成になります。

それでは!

 

 

※ 実は上の写真は初号機製作時のもの

※ 一番最初に投稿した完成品は初号機をベースに改良を加えたものになり細部がかなり違っています

MON 24 June 2024

削り出しトルメキア軍コルベット製作風景2

関東地方も梅雨入りしました。

例年より2週間ほど遅いとか。

雨は鬱陶しいと感じたりもしますが、雨でなければ見られない風景もあります。

虹はやっぱり特別感があります。

スタッフKATOです。

こんにちは。

 

コルベットの製作風景を紹介する第2弾。

前回は胴体の加工を紹介しました。

削り出しトルメキア軍コルベット製作風景1

今回は主翼です。

コルベットには計4枚の主翼があります。

前後の主翼は似た形状ですが細部のディテールが違います。

よって4枚それぞれのCADモデルを作成して削ることになります。

 

製作方法は胴体と同じ。

アルミの材料からNC旋盤で大まかに削ってブランクを作り、マシニングセンタで仕上げます。

 

マシニングセンタでの加工です。

荒削り、中荒削り、中仕上げ、最終仕上げの4工程で仕上げています。

〇粗削り

フラットエンドミルで階段状に切削

〇中粗削り

φ4のボールエンドミルで基本形状を切削

〇中仕上げ

φ1のボールエンドミルで細部のディテールを出します

〇最終仕上げ

φ0.6のボールエンドミルで仕上げます

中仕上げと最終仕上げはあまり見分けがつきませんが細部のディテールのシャープさが違います。

最後にNC旋盤でベースから切り離します。

こうして完成した主翼4枚。

これで艦体を構成するメインのパーツが完成しました。

あとは小物類を削っていきます。

今回はここまでです。

それでは!

WED 12 June 2024

削り出しトルメキア軍コルベット製作風景1

6月になり紫陽花が綺麗な季節になりました。

スタッフKATOです。

こんにちは!

 

今回より前回紹介したトルメキア軍コルベットの製作風景を部位ごとに紹介していきます。

削り出しトルメキア軍コルベット

 

第1回は艦体部分の製作。

まずはCADでモデリング。

3Dモデルがないと始まりません。

というよりこれがすべてといっても過言ではないかもしれません。

一番時間がかかっているのは実はこの工程。

ただモデリングはPCさえあればいつでもどこでもできるのがいいところ。

そしてモデルさえできてしまえば加工は何とでもなります。

木山製作所には優秀な1級技能士が揃っています!

 

加工計画

①艦体は前部と後部に分けて加工

②また内部はインテリアを仕込むので空洞化

③特徴的なキャノピー部は枠を加工しガラス部は後から透明パーツをはめて再現

 

アルミの丸棒から削り出しで製作。

アルミ丸棒から旋盤で大まかにブランクを作成し、その後5軸加工機で削り出します。

艦体前部

艦体後部

最後にベースから旋盤で切り離せば完成。

組み合わせたところ。

大きさ比較のために1円玉と。

私のこだわりである約1/144スケールです。

基本の加工方法はこんな感じになります。

次回は主翼パーツの予定です。

それでは!

MON 27 May 2024

削り出しトルメキア軍コルベット

新年のあいさつからしばらく間が開いてしまいました。

気づけばもう5月も終わり。時間が経つのは早いですね。

船橋に行った際に停車中の8111Fを発見。

現存する唯一の東武顔。古き良き時代を感じさせます。

いつまでも元気に走っていて欲しいです。

スタッフKATOです。

こんにちは!

 

前回の投稿で現在制作中の作品について画像を公開しました。

2024

そちらの画像からお分かりの方もおられると思いますが、今回製作しました作品は「トルメキア軍コルベット」です。

以前3Dプリンターで製作した戦列艦(バカガラス)と同じく、有名なジブリ映画「風の谷のナウシカ」に登場するメカです。

コルベットは中型の戦闘艦で対空戦闘、対地攻撃、物資や兵員輸送などの任務をこなす汎用性の高い艦として描かれています。

今回はこのコルベットを戦列艦と同スケール、アルミニウム削り出しで製作することを計画しました。

 

そしてそのコルベットをようやく皆様にお見せできる程度まで仕上げることができたので公開したいと思います。

各部の製作工程やディテールなど詳細についてはこれから随時公開していく予定ですが、まずは完成形をご覧ください!

まずは全体像

特徴的なコックピット周辺

船体後部

船体中央部

主要なボディーパーツはすべてアルミニウム削り出しで製作。

船体内部インテリアや銃座等の小物パーツは3Dプリンターで出力。

コックピットのキャノピーはバキュームフォームで。

ピトー管等は真鍮パイプと真鍮線の組み合わせ。

船首のエンブレムは真鍮から削り出してはめ込んでいます。

またエンジン部にはLEDライトを仕込んで発光するようにしました。

後部のハッチは極小のヒンジで可動します。

船体表面は切削後に手作業で研磨し、磨き上げられた特別仕様というイメージで仕上げました。

アルミ地剥き出しのボディ以外はすべて塗装して仕上げています。

 

こうして完成した削り出しコルベット。

久しぶりの作品となりましたが、時間をかけて自分がやりたかったことはすべて盛り込めた作品になったかなと思っています。

各パーツの製作風景はこれからアップしていきます。

それでは!

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