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3回に分けて紹介したアルマイト実験のまとめ編。
まず加工屋としては一番気になる寸法変化。
測定してみました。
ほとんど変化していないようです。
他にネジを切った部品もあったのですが、アルマイト後にネジが入らなくなるということもありませんでした。
酸化皮膜をどのくらい成長させるかによるのだと思いますが、この装置を使っての30分程度の電解時間であればさほど影響がないと考えてよさそうです。
ただし寸法変化が少ないという事は皮膜自体が薄いということなので、耐久性は劣るかもしれません。
そのほかに気づいたこと。
① 洗浄が大切。明らかに洗浄不良によると思われる染色ムラがありました。
② 通電が大切。通電不足だと正しく電解が行われずきれいな皮膜が生成されません。
大きな部品には太い針金を使うなど十分な電気が流れるように工夫が必要だと感じました。
③ 染色時にはたまに部品を動かしたほうが良いかも。
染色槽の底に沈んだ部品について、底と接触した面に染色不良が見られました。
途中何度かひっくり返して染色した部品は綺麗に着色できていました。
吊るしたほうが良かったかも。
今回の実験で自分で行うアルマイトに手ごたえを感じました。
今後は製作した冶具等の表面保護などに活用していきたいと思います。
そして何よりの収穫は「アルマイト」という処理についての知識が増えたこと。
コレは実際やってみなければわからなかった。
普段アルマイトをお願いしている協力会社さんには、すばらしい技術やノウハウがあるのだということも実感しました。
自分でアルマイトしてみよう実験その2。
前回までに必要なものの準備まで紹介しました。
今回はいよいよ実践偏。
先ずは洗浄し接点をつけた部品を、通電する為のアルミの角棒に固定し電解液に漬けます。
次に電源のプラスを部品側に、マイナスを電解槽の鉛板につなぎます。
鉛板と部品が接触していないことを確認したら通電開始。
12Vの電気を流します。
通電時間は30分。
途中液温が上昇したら保冷材を入れて、20度以下になるよう管理します。
この間に染色槽と封孔槽を過熱し、染色槽は50度、封孔槽は90度まで上げておきます。
30分の電解が終了したら部品を電解層から取り出し水で洗います。
洗浄時間は早いほうが良いそうなのですばやく行います。
洗浄したら部品を染色槽に漬け込みます。
染色時間はおよそ10分。
染色が完了したら再び水で洗います。ここもすばやく行います。
洗浄した部品を煮沸した封孔槽に入れます。
封孔時間はおよそ15分。
15分経ったら部品を取り出し、水でよく洗浄し乾燥させて完了!
はじめてのアルマイトでしたが、意外と綺麗にできたかなと思います。
各作業自体は単純なのですが、それぞれの工程をスムーズに行う事や液温の管理などが意外と大変。
電解に30分かかるので1つの部品が終わったらすぐ次の部品を電解したいのですが、その間に染色・封孔の作業をしつつ液温も管理するなど忙しいです。
複数の部品を流れ作業でアルマイトするとなると1人では大変。
次にやるときは誰か手伝って欲しいなぁなんて思いました。
次回はアルマイトしてみて気づいたことや寸法の変化など「まとめ編」です。
つづく。
楽しそうな事はなんでも自分でやってみないと気が済まない、スタッフブログ担当KATOです。
こんにちは!
今日のお題はタイトルどおり「アルマイト」です。
アルマイトとはアルミニウムの表面に陽極酸化皮膜を作る処理のこと。
アルミニウムの耐食性・耐摩耗性の向上、および皮膜に染色する事で装飾性を付加する目的で行われます。
弊社でも多数のアルミ部品を取り扱っています。
こうした部品には表面処理としてアルマイト処理の指示がされているものがあります。
その場合、弊社では専門の業者にアルマイトを依頼しています。
しかし、社内で作成した加工用の冶具やイベントに出品するような創作物くらいなら、自分たちでアルマイト処理できたらなぁと思うわけです。
WEBなどで検索すると、家庭でもできるアルマイトキットなるものがヒットします。
前から気になっていたのですが、百聞は一見にしかず、とにかくやってみることに!
結論から先に言うと、意外と綺麗にアルマイト処理する事が出来ました~
こんな感じ。
右が処理前で左がアルマイト処理後のパーツ。黒い染料で着色。
今回実施したアルマイト実験の模様を何回かに分けて紹介します!
まずは準備編。
アルマイト処理の手順はおおまかに以下の通り。
① パーツの脱脂・洗浄
② 電解処理
③ 染色処理
④ 封孔処理
これらの処理を実施する前に必要なものを準備します。
よく洗浄・脱脂したパーツにアルミ線を接続し通電の為の接点を取ります。
次に電解処理に必要な電解液。
染料を精製水で溶かした染色液。今回は赤と黒の2色準備。
封孔処理の為の封孔液。酢酸ニッケルと精製水を混合したものです。
そしてパーツに12Vの電気を流す為の電源。
これ以外に電解処理中に液温が上昇しない為の保冷材、染色処理中に液温を50度に保つ為の保温槽、封孔処理で煮沸する為のコンロなどが必要になります。
準備が出来たら、アルマイト実験開始!
つづく
何かをカタチにする時、その方法は一つだけではない。
切削加工も同じ。
削り方はいろいろ。
どれが正解でどれが間違いという事はない。
同じ形状のものを作っても、人によってアプローチの仕方は様々。
個性が出る。
そこが面白い。
他の人の加工方法を見ていると「こんなやり方するのかぁ」なんて感心させられることも良くある。
今回はこんな形状の部品を作る。
薄肉パイプ形状だが大胆に切欠きされた形状。
使える設備はNC旋盤と3軸のマシニングセンタ。
量産はせず数点作るだけなので、冶具は極力簡単に。
どのように加工したら安定して綺麗に切削できるか?
まずは旋盤でパイプ形状に切削。
次にパイプをバイスで縦にクランプ。
マシニングセンタで胴体中央付近の切欠き部分を切削する。
つぶれ防止の為にかまぼこ状の入れ子を製作。
切削した部分に入れ子を嵌め込み、バイスで横向きにクランプ。
この状態でパーツ先端の斜めの切欠き部分を切削。
そして完成。
今回は想定していた加工方法でうまく加工できたパターン。
私はこんな加工方法で削ったが、もっと別のやり方もあるのだろう。
やはり、切削加工は奥が深い。
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