Jリーグの試合で、審判を務める顔に見覚えがある。
ワールドカップブラジル大会で、主審を務めた、西村審判だ。
しかも開幕戦を日本人の審判が務める、と言うことで、メディアでも話題になった。
開幕戦は、地元ブラジルとクロアチアの一戦。
攻撃も守備ともに両チームが激しく激突し、高いレベルで均衡を保っていた後半26分に、それは起こった。
西村主審の笛が鳴った。
その微妙な判定に、クロアチアの選手は、西村主審に激しく詰め寄った。
しかし、毅然とした態度で、黄色い札を掲げた。
このために、クロアチアは1点を失った。
大会が始まって初めてのカード。
この判定が今大会の基準となる、ともいえる。
確かに微妙な判定だった。
しかし大会を追うごとに、今大会の判定の方針が見えてくる。
西村主審の笛も、その基準を満たしていることが、後々分かった。
国の威信がかかっている。
そこで最初の笛を吹くのは、どれだけの責任と自信が込められているのか。
私には計り知れない。
そんな西村主審を生で見ただけで、なんだか興奮してしまった。
Jリーグを見た。
選手たちの躍動感、駆け引き、汗。
ボールを蹴る音、応援席から湧き上がる怒号の歓声。
やっぱり生は楽しい。
夏の夜風のひと時を楽しませてもらった。
応援したチームは、勝つことができなかった。
しかも試合内容は決して良いものでなく、特に後半は相手に完全に押されていた。
素人の私にも、そのことが良く分かった。
試合後、選手たちが応援席に挨拶に来た。
そこで起こった大ブーイング。
選手たちは、素直に認め頭を下げた。
言い訳せず、状況を正しく受け止め、次につなげる。
批判を素直に受け止める『心』は、自分自身の次の成長に繋げる、大切な要素だと思った。
「自分の20代、あんなに素直じゃなかったなぁ…」なんて、思った。
朝、7時すぎ。
見慣れぬ状況に足を止めた。
あるグループリーダーが、遅れが出ている別のグループの応援に来ている。
まぁそれは時々あるとして、何より7時過ぎと言う時間帯で、その場に立つ『彼』に反応した。
彼は10年選手。
年齢30代はそろそろ後半に入ってきた。
普段は、特急や試作などに係る腕利きである。
そんな彼、20代の時は、遅刻の常習犯。
周囲に迷惑をかけたこと、数知れず。
時代は変わって、彼よりも10歳若い社員が、グループリーダーになる時代となった。
先輩としての本能が、出社時間を早め、遅れが激しく苦しんでいる後輩の応援に入っている。
自分のグループの作業を犠牲にして。
人は人のために動く。
私が「遅刻するな」と言っても、遅刻してくる。
でも「助けなければ」と思えば、自ら動く。
これでいいと思う。
入社から2年が過ぎた製造課の社員が、事務所でファックスを待っている。
事情を聴くと、修理方法を記した図面が機械メーカーから送られてくる、とのことだった。
今回壊れた個所は、旋盤で最も大事な構造の一つ、『ボールねじ』が強い衝撃により直接痛まないように、その手前にいわばバンパーの役割をした部品がある。それが壊れて、アラームがついていた。
最近では、ほとんどが電気制御で動く時代。
でもこの部分は、旋盤、つまり機械として重要な部分のため、今でもシッカリ、機械=ハードで構成されている。
図面を見ながら、機械の奥に手を突っ込んで、修理し、アラームを解除し、再稼働させる、という作業は、なかなか技術も満足度も高い仕事だ。
この程度のことがサックリできて、ある意味本格的に一人前になった、と考えてもいいレベルと思っている。
まだまだ新人だと思っていた、ファックスを待つ20代の社員。
でも、もうそんなことをやるレベルまで来てるのかぁ。
時間の経過を感じました。
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